スイハニング(炊飯+ing)

スイハニング(炊飯+ing)

『越境トーク』~「未来を生きる子どもたちにいま何を教えるべきか」~

【お米からご飯までをデザインする】

-15-1 安東米店:長坂さん-

 

 

越境トーク第15弾は、

美味しいご飯を食してもらうために、お米1粒がご飯1粒になるまでのプロセスのすべてをデザインするお米・ご飯のプロ:長坂さんです。

長坂さんは、ごはん炊きをスイハニング(炊飯+ing)という言葉表現で、独自の活動をするお米屋さん。

「スイハニングマイスター」によるお米・ご飯へのこだわりを語ってもらったインタビューです。

 

仕事への思い(ビジョン)

 

皆さんは、美味しいご飯を食べたいと思ったら、どんなことを考えますか?

「良いお米⁉」

「上手な炊き方⁉」

 

今回は、スイハニングマイスター長坂さんが語る「ご飯を炊くこだわり」に触れてみてください。

 ※「スイハニング」は登録商標されています。

 

デザインとは?

 

長坂さんは、学生の頃は、美術大学で学んでいました。 

特に「デザイン」に興味があったといいます。

 

デザインと聞くと、とかく、見た目などの表層的なものをイメージする傾向がありますが、「デザイン」とは、思考の仕方です。

 

例えば、ペンのデザインは、

 「何のために使うものなのか」

 「どんな人に使ってもらいたいのか」

 「どんなロケーションで使ってもらうのか」

などを考えることが、デザインです。

 

暮らし方もデザインです。

翌日のことを考えて早く寝るなど、自分の生活を日々デザインしますよね。

 

ご飯の美味しさは炊く行為が決め手

 

さて、お米は一般的には、

 稲の栽培 → お米の収穫 → 精米 → 販売 → 炊飯 → 食べる

という流れになります。

 

 

スイハニングマイスター長坂さんは

『 お米がご飯になるまでのプロセスの中で、

手塩にかけて稲を育て収穫し、貯蔵管理、精米を経て、最終工程(炊く)で、

もしもおかしな調理をしてしまったら、それまでのプロセスは水の泡です。

と、炊くという行為の大切さを語ります。

『 』は長坂さんの言葉を表します。

『 私は、モノ(お米)を売るだけでなく、お客さんが「美味しい!」とお米(ご飯)を食してほしいという想いを強くもっています。

だから、コト(ご飯を炊く行為)も売っていくというコンセプトもっています。

 

皆さんはご飯の炊き方をどのくらい知っていますか。

リゾットやパエリアなど、お米には様々な調理方法があります。

・蒸す

・茹でる 

・炊干し法(たきぼしほう)

  日本や中国、韓国、台湾など東アジアに広がる調理法で、ちょうど良い量の水と火加減で炊き上げる方法

・湯取り法(ゆとりほう)

  茹でて湯を捨て、おき火で蒸らしていく方法

 

多くの日本人が日常食べているご飯は、「炊干し法」によって調理されています。

しかし、ほとんどの人は、炊干し法という名前も知らなければ、原理も知りません。

 

日本人はよくご飯を食べるのに、電気炊飯器で炊くことしか知りません。

 

電気炊飯器はある意味ブラックボックスで、お米を適量の水とともに電気釜に入れてスイッチを押せば炊けます。

 

だから、どうやって炊けているのかなんて、深く考えることはまずありません。

きっと、お米を炊飯器無しで炊ける人は、かなり少ないのではないでしょうか。

 

実は、炊干し法は、煮る、焼く、蒸すの3つの加熱調理法を、水加減と火加減で連続的に行う、とても繊細でハイテクな技術であり、日本らしい炊き方なのです。

 

 

お米を炊く奥深さに触れる

 

『 ではここで、お米のことをもう少し詳しくお話します。


生のお米を食べても、消化吸収して分解できないから、栄養にはなりません。

お米は、加熱して、デンプンをα化する必要があります。

α化されたデンプンは、我々の身体が消化吸収でき、エネルギーになります。

 

お米は90℃以上の水で20分間加熱さえすれば米デンプンはα化します。

でもこれでは美味しくはありません。

美味しい食べ物にするために、いろいろな技術が必要です。

 

お米を炊く際、水が沸騰するまでの時間は最短で7分、最長で12分が最適です。

100℃まで到達する7分から12分の間に、温度がどのように上昇するかで美味しさは変わります。

また、室温、鍋の厚み、熱源(薪、電気、ガス)などで炊きあがるご飯は全然違います。

ご飯の美味しさは、鍋の素材、熱源、米の量、この3つの相関関係で決まります。

 

例えば、土鍋は、なかなか沸騰しません。

つまり、土鍋は、蓄熱力はありますが、熱伝導が悪い道具です。

逆に、羽釜は、木が燃える800℃の熱量を受け止められる道具です。

だから、日本人は、羽釜でご飯を炊いてきました。

 

しかし、近代になって、ガスが登場しました。ガスの青い炎は1700℃です。

1700℃の温度で、羽釜で炊くことは、熱伝導が良すぎるから返って難しいです。


反対に、土鍋は熱伝導が悪いからご飯を炊く道具として適さなかったのですが、1700℃の熱源が出てきて、土鍋は能力を開眼した感があります。

熱伝導の悪さを解消するとともに、1700℃の強いエネルギーを柔らかく受け止めてくれるのが土鍋です。

 

 

美味しいご飯を食べてほしいという想いから、国内外を問わず、スイハニングのワークショップを開催している長坂さん。

 


「炊飯道」とでも表現できそうな、
美味しいご飯を追究し、炊飯の道を究めようとする長坂さんのこだわりは、職業人として見習うべき構えでした。

 

 

今日の話が、あなたの気付きになれば幸いです。


「未来を創る子どもの先生」が育つ環境を創っていくために。
志と情熱のある方々と、ご縁で繋がっていけたら幸いです。

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