「人に迷惑をかけない」 を 肯定形に

「人に迷惑をかけない」 を 肯定形に

「掃除をさぼるな!」

「忘れ物をするな!」

「廊下を走るな!」

「間違えないようにしなさい!」

「給食を残してはいけません!」

「緊張しないようにしなさい!」

 

否定語の連発で息がつまってしまったかもしれません。
大丈夫ですか?

 

学校や家庭には、否定形の言葉がよく出てきます。

 

どこかで聞いたことがある方もいると思いますが、

脳は否定形を理解できない」と言われます。

脳の構造的なものだと聞きますが、

脳は「◯◯してはいけません」という命令に対して、

はじめに「◯◯された状態」をイメージしてしまうので、

イメージした方を実現しやすくしてしまうのだそうです。

 

私は高所恐怖症ですが、高いところに上った時に、

「下を見るなよ、落ちるぞ。」

なんて言われると、余計に怖くなった経験があります。

「下を見るな」って言われると、下を見ている状態をイメージしたからだと思います。

 

皆さんも、例えば、

「これ以上、先は読まないでください」

と書かれた表現を見たことがあると思います。

 

心理学で、「否定命令」とも言われますが、このような否定表現をされると、

ついつい読みたくなるのは、脳の機能によるもののようです。

 

 


否定形 ➡ 肯定形

 

このため、脳の素直な反応を効果的に利用するためには、

否定形ではなく、肯定形で表現する方が良いのです。

 

もっといえば、やってほしい行動を示す表現をするということです。


「掃除をさぼるな!」 → 「掃除をしよう」

「忘れ物をするな!」 → 「準備をしっかりしよう」

「廊下を走るな!」 → 「廊下は歩こう」

「間違えないようにしなさい!」 → 「正解できるようにしよう」

「給食を残してはいけません!」 → 「給食を食べ切ろう」

「緊張しないようにしなさい!」 → 「リラックスしよう」

 

このような表現に変えると、すべき行動が明確になります。

肯定的なイメージが湧きやすいので、能動的に行動をしやすくなると思います。

 

 

 

さて、ここで、私たちがよく言われて育ってきた否定形の言葉を1つ取り上げます。


「人に迷惑をかけるな」「人に迷惑をかけないで生きなさい」


よく親や祖父母に言われた経験はありませんか?

 

不登校の生徒が言います。

「先生、なんで学校休んでちゃいけないの。私、誰にも迷惑かけてないよ。」


不良のヤンチャっ子が言います。

「別に茶髪にしてたっていいじゃん! 誰にも迷惑かけてねーもん。」


彼らは、「誰かに迷惑をかけてはいけない」ということは、

理解しているし、主張します。


でも、彼らは、本当に誰にも迷惑をかけていないのでしょうか。


人に迷惑をかけないで生きなさい』では、

学校休んで何が悪い、茶髪にして何が悪いになってしまうんです。

ちょっと足らない表現なんです。

 

では、先ほどのように、

「人に迷惑をかけない」を、肯定形の表現に変えてみましょう。


人に迷惑をかける ➝ 反対の言葉は何でしょうか。


「迷惑をかける」の反対は ……… そうです、「役に立つ」です。

 

『人に迷惑をかけないで生きなさい』

     ↓

『人の役に立って生きなさい』 です。


ちなみに、

日本では、「人に迷惑をかけないで生きなさい」と子育てでよく使われますが、

海外では「人が喜ぶことをしなさい」としつけられます。

 

さて、「人に迷惑をかけない」という表現は、

「邪魔をしない」「関わらない」などのように、とても弱いイメージがあります。

 

「人に迷惑をかけるな」とずっと言われてきたら、

相手に良いことをしようとしても、とっさに

「ひょっとしたら迷惑に思われるかも」

と、迷いが出るかもしれません。


そして、

「出しゃばったことはやめよう」「やっぱりやめておこう」

となるのではないでしょうか。

 

 

人の役に立つ人に育てるために、

私は、子どもを育てるポイントが3つあると思います。

① 相手の視点に立って考えることができる 

② 自分の好きなことや得意なことを知っている 

➂ 主体性を伸ばす

 

① 相手の視点に立って考えることができる

相手が喜ぶことをするには、相手の気持ちが分かるということが大事です。

「今どんなことを言えば、どんなことをすれば、喜んでもらえるんだろう?」

と想像することはとても大切です。


ただし、幼い子どもの場合、
「人の役に立つことをしてごらん」と、

言葉で言っても、理解することはなかなか難しいと思います。


そこで、子どもがしたことで、誰かが喜ぶような体験せましょう。


まずは身近な家族の役に立つこと。

子どもにできそうな家庭での役割を担ってもらうお手伝いは最適だと思います。

例えば食事の片付けや花壇の水やり、お風呂洗いなどの仕事です。

小さなお手伝いですが、毎日のことなので、とても助かります。


できれば、「すごいね」「えらいね」という褒め言葉よりも、

助かった」「ありがとう」「感謝している」というお礼の言葉の方が良いです。


子どもは、自分の行動で、
家族が「助けられている」「自分が役に立っている」

ことが実感できると思います。

 

② 自分の好きなことや得意なことを知っている

自分の好きなことや自分が得意なことは、積極的、能動的に行動を起こすことが

できます。

だから、子ども自身が自分の好きなこと、自分が得意なことを知っていることは、

それだけ積極的に自分にできることを、相手のためにやってみようという意欲に

つながります。

 

➂ 主体性を伸ばす

子どもに、人の役に立つことの喜びや達成感を味あわせる体験を積み重ねことが、

積極的な考えや行動ができる子どもを育て、子どもの主体性を伸ばすと考えます。


主体性が伸びた子どもは、さらに人の役に立つことをしていくことができると思い

ます。

 

「人の役に立つことをしよう」

「人の役に立つ人になろう」

ぜひこの肯定的なフレーズを使って、みんなで子どもを育てていきたいものです。

 

 

 

今日の話が、あなたの気付きになれば幸いです。

 


「未来を創る子どもの先生」が育つ環境を創っていくために。

志と情熱のある方々と、ご縁で繋がっていけたら幸いです。

 

 

 

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