『マナーの良さ 英国ストーリー3』

『マナーの良さ 英国ストーリー3』

今日は英国ストーリー(第3弾)、「世話の焼き方」について取り上げていきます。

日本のマナーの良さは世界で1番だと、以前何かのテレビ番組で見たことがありますが、日本から英国に移り、私が一番初めに感じたのは「英国のマナーの良さ」です。

その中から、世話を焼くことについて取り上げます。

 

皆さんは、「どんな世話なら、人から焼かれたいと思いますか?」

あるいは、「どんな流儀で人に世話を焼いていますか?」

 

 

「Can I help you ?」
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さて、ロンドンでの生活は、地下鉄を使うこともたびたびあります。


当時娘が1歳半であったためベビーカーで移動をしていたので、平日の日中、家内が1人で移動するとなると、ベビーカーは結構厄介です。

階段の上り下りの際には、いちいちベビーカーをたたみ、娘を抱えなければなりません。


すると、ほぼ必ずと言っていいほど「Can I help you ?」と声をかけてくれる人がいます。

ベビーカーを持って階段の上り下りを助けてくれるわけです。

中には、こんな素敵な人たちもいます。


☆☆素敵1☆☆☆

かなりの高齢の紳士が、(自身でベビーカーを持って上ることは大変なので)近くを通る若者を呼び止め、「ベビーカーを持ってくれないか」と手伝うように声をかけるのです。
そして、若者にベビーカーを持ってもらい、紳士も一緒に階段を上ってきてくれるのです。

 

☆☆素敵2☆☆☆
家内がベビーカーを持って階段を上ろうとしている時、階段を下りてきた人が、反対方向にもかかわらず手伝ってくれて、階段の上までベビーカーを運び、また階段を下りていくのです。

 

☆さらに素敵
街で私が道を尋ねた時に、その場で口で説明するだけではなく、わざわざ私をその場所がわかるところまで、私を連れて行ってくれるのです。

この体験は一度や二度ではありませんでした。

ある時は、私が道を尋ねると、
「あ~、ここ、わかるわかる。でも自分の進行方向は逆なんだ。しかもいま急いでいる。あ~、どうしよう。でも人助けが先だ。よし、急いでついてきて!」
(ちょっと分かりやすく言葉を膨らめていますが)こんなジェスチャーと独り言を発しながら、私を導いてくれた人もいました。

申し訳なくて、チップでも渡したいくらいの気持ちになりますが、
「Thank you」と伝えると、「Welcome!」と、とてもすがすがしく、素敵な表情で別れていきます。

 

言葉は悪いのですが、恩着せがましく、「やってやってるぞ」みたいな暑苦しい世話の焼き方ではなく、どこか楽に感じられるお世話なんです。

 

 

私は、日本のショップの店員さんの対応が好きではありません。

ゆっくり見たいのに、いきなり話しかけてきて、聞いてもいないのにこれが新作だとか、これはどうだとか勧めてきませんか。

ところが英国の店員さんは、ほとんどが「Can I help you ?」と一声かけ、
「大丈夫です」と、こちらが答えれば、距離をとって私に自由に見させてくれます。

 

この「付かず離れず」的な絶妙な距離の取り方が好き

 

ご近所付き合いも「付かず離れず」です。

普段はあいさつを交わす程度ですが、ある時斜め前のおじさんが「ダメじゃないか」と玄関先まで言いに来てくれました。

私が、道路に隣接するガレージ前の木製の門扉を、閉めている方がかっこよく見えるため、ある日左右の門扉を閉めたことがありました。

すると、おじさんは、「出かけているように見えるから強盗が入ってくる。危ないから気をつけなさい。」と注意を促しにわざわざ言いに来てくれたのです。

 


実は、英国は、殺人などの治安の悪さはありませんが、スリや窃盗、空き巣など財産を狙う犯罪はとても多い国です。

私の友人の中にも、2階で寝ていて1階に下りたら泥棒に遭遇したという日本人はいます。

 


街でこんな光景も見ました。

繁華街の路上では、物乞いをする人をちらほら見かけます。

そんな物乞いをしている人に、なんと、見るからにとても品の良い、英国紳士淑女のご夫妻が話しかけています。

 

端的に解釈すると、
「こんなところでこんなことをしていないで、まじめに働いて自分でお金を稼ぎなさい。」
と説諭しているのです。

働くことを説いた後で
「これでパンを買って、仕事を見つけなさい。」と紙幣を数枚渡していました。

映画ようなシーンです。

 

見て見ぬふりをするのではなく、つかず離れずで、支援が必要な時に関わってくれる。

 

ちょっと大人な対応の英国が、すぐに好きになりました。

 

悲しい話ですが、日本では電車の中で、ご老人や妊婦さんが乗ってくると、わざと下を向いてスマホに見入ったり、寝たふりをしたりして、自分が席を獲得している権利を主張してしまう人が多いと聞きます。

もちろん日本人の中にも素敵な対応のできる人はたくさんいます。

 

子どもたちに、マナーや親切を言ってきかせることはいくらでもできますが、子どもたちの心に響くかどうかは何が決め手になるでしょう。

 

私は、「何を言うか」ではなく、「誰が言うか」に尽きると思っています。

大人がどんな対応をするのか、目で見て感じたものが子どもたちの学びになっていきます。


「自分が素敵だと思える振る舞いができる自分」
でいたい
それが子どもたちを育てることにもなるのだろうと思います。

 

 

今日の話が、あなたの気付きになれば幸いです。


「未来を創る子どもの先生」が育つ環境を創っていくために。

志と情熱のある方々と、ご縁で繋がっていけたら幸いです。

 

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