子どもへの話にラベリング

子どもへの話にラベリング

『子どもの心に刺さる話 ラベリング』

 

「先生の話は退屈だ!」

そんなこと言わせたくないですよね。

2学期の終業式を控え、どんな話を、どのように伝えるのか、思案しました。

本校は、安倍街道というダンプやトラックなどの大型車をはじめ、自動車の往来が激しい街道沿いに位置しています。

実は、今年の夏、学校の目の前の横断歩道で交通死亡事故が発生しました。

今年になって安倍街道では、交通死亡事故が3件も発生しており、危険な道路なのです。

さらに、つい先日は、市内の別の小学校で、学校前の横断歩道を歩行中の小学生がトラックにはねられるという痛ましい事故が発生しました。

 

時期的にも交通量が増え、交通事故が心配される年の瀬です。

子どもたちが交通事故に遭ってほしくない、そんな思いを募らせます。

でも、終業式で単純な交通安全の話をしても、きっと子どもたちにとっては、右から左に通り抜けてしまい、何も残らないだろうと思いました。

 

そこで、子どもたちが私の話を翌日以降も思い出してくれるように、「話のラベリング」を考えました。

 

ここで、ラベリングについて少し補足しておきます。

心理学の世界で、ラべリング効果といって、ラベルを貼ることで、相手の心理を動かすテクニックがあります。

ラべリングすることにより、相手に暗示を与えて、相手がそれに沿って動くように仕向けることができると考えられているようです。

これを応用した私が考える「話のラベリング」は、例えばこんな感じです。

ある時先生が自身の思い出として、「子どもの頃、母親が仕事で疲れているのに、夜なべで自分のためにシューズ袋を手縫いで作ってくれた。それからシューズ袋はとても大事に使ったが、シューズ袋を見るたびに母の愛を感じる」という話を子どもたちに語って聴かせました。すると子どもたちは、シューズ袋を見るたびに母親の愛を思い出すようになります。

このように、何か(A)に話を貼り付けることで、Aを見るたびにその話を思い出すという考え方です。

ラベリングについて、わかってもらえたでしょうか?

 

今回は、子どもたちに「交通安全」を印象付けるために、校庭のイチョウの木から取れた銀杏を使ってお守りを作り、「銀杏に交通安全をラベリングする」ことを考えました。

銀杏は学校の象徴だから、子どもたちにとって印象が深いものです。

また、銀杏の花言葉は「長寿」‥‥銀杏には、命を長くしてくれるという縁起の良さがあります。

そこで、銀杏の片面に私のトレードマークを、もう片面に「守」の字をマジックで1つ1つ書き込んでいきました。

(※同僚の先生が、「まもるくん」と命名してくれました!)

この銀杏「まもるくん」を使って子どもたちに交通安全の話をし、自宅に持ち帰らせて玄関先に置いてもらいます。

子どもたちは出かけるたびに、玄関先の銀杏「まもるくん」を見ると校長先生の話を思い出し、「そうだ!交通安全だ!!!」と、思い出してもらう作戦です。

 

そして、終業式当日。

校長講話で「交通安全」の話をして、全員に銀杏「まもるくん」を配りました。

子どもたちはとても興味津々に受け取ってくれました。

 

私の想いが伝わったのか、下校の見送りをしていると、ある男の子がこんなことを言ってくれました。

「校長先生、銀杏を大事に持って帰ります。僕も校長先生に言葉を考えましたと『校長先生、絶好調です!』と言ってくれました。

校長とぜっコウチョウをかけてくれましたが、私の銀杏の案に応えようと考えてくれたことを、心から嬉しく思いました。

 

子どもの心に刺さる話をしたいと思いませんか。

私はずっとそう思って、何とか工夫ができないものかと考えてきました。

その1つの手段が「ラベリング」です。

何かを見るたびに、(先生が語ってくれた)〇〇を思い浮かべる。

そんな素敵な話・貼り付けができたら、子どもにとって、「今日は、先生何を話してくれるのかなぁ?」と、先生の話が楽しい時間になります。

子どもにとって、話が楽しいと思える時間をつくりたいものですよね。

 

今日は読んでくださっている皆さんと、「子どもの心に刺さる話」、そして「ラベリング」を共有させていただきたいと思います。

 

「未来を創る子どもの先生」を育成する場を皆さんと創っていきたいと思っています。

未来の子どもを育てる志と情熱のある方々と、ご縁で繋がっていけたら幸いです。

 

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